中年研修医の日記



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神奈川県内の病院に勤める中年研修医
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人工呼吸器をはずせ
ニュースではありきたりの話かも知れないが、初めてこういうことを言われた。

高齢者の男性で、人工呼吸器がついて数ヶ月。呼吸はともかく、ほぼ多臓器不全の状態でいつ心臓が止まるかだけの状態だ。人工呼吸がつくはるか前から意識は全くなく、動くこともなかった。

簡単に言えば、植物状態の人が弱ってきて呼吸もできない状態になってきたということだ。

この人は、肺炎を繰り返していて、胸水がたまり肺はあちこち器質化といって硬くなっている。

この人は、自発呼吸ができなくなった時点で、家族の強烈な要望で人口呼吸器をつけた。もちろん、装着するときには、一度人工呼吸器をつけて長引くと、後から外してくれといわれても外すことはできないこと、十二分に説明する。

しかし、人工呼吸器をつけて数ヶ月、何度も熱が出たり血圧が下がったり心拍が落ちたりして死にそうだといって家族を呼ぶことになる。「気づいたら死んじゃってました」というのは許されないから、危なそうになったらナースの判断で家族を呼ぶのが普通だ。

人工呼吸器をつけていようがいまいが、人がいつ死ぬか、何日持つかなんてだれにもわからない。この人の場合は、人工呼吸器をはずせば数分だが。

時間かまわず、危ないといって病院に呼ばれ、死にそうになってまた戻ってくる、こんなことを数ヶ月繰り返せば、いくら強烈な要望で人工呼吸器をつけてくれといった家族だって、疲れてくるのは当然だ。



そもそも、こういう状態の人に人工呼吸器をつけるのを勧めないのは、お決まりのコースがあるからだ。感染を繰り返す。血圧が下がって危険な状態になる。何度もこういうことを繰り返す。初めは熱心にきていた家族も、次第に足が遠のく。

「どうにかして生き延びさせてくれ」

といっていたのが、

「いつまでもつんですか?」に変わる。

必ず最後はこうなる。医者からすれば、最初からこうなることはわかっているから、最初にさんざん警告する。

「いったんつけたら外せません。」


今回は、遠くから来た孫までが

「私たちも自分の生活があるんです。危なくなるたんびに呼ばれるのに疲れました。」

人工呼吸器をつけてくれといったのは家族だ。適応がないからつけられませんと言い切ってもいいような状態だった。

しかし、「自分らが付けてくれといったんだろう」などと正論を言っても通じることはないので、ここはただただ、なだめすかすしかない。

人がいつ死ぬかなんてわからないとか、人工呼吸器を外したら法に触れるとか、まっとうに説明したって何の効果もない。興奮させたら、家族の誰かが自分で引っこ抜かんばかりの雰囲気になる。

「ここ2、3日、長くても10日が限度です」

僕がそういってから、7日間、ようやく心臓が止まった。

意識不明で入院してから3年以上、その間何度も人工呼吸器をつけられ、(当たり前のことだが)意識は戻ることなく長い入院だった。

最後の2ヶ月で100万以上の医療費がかかっている。家族が払うのは1割に満たない。





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テーマ:研修医のお仕事 - ジャンル:就職・お仕事


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