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再び当直明け

いよいよ今月最後の当直だった。しかし、状況は最悪。

当直明けで講習会に行かねばならない。小児心肺蘇生のトレーニングコース(PALS)という講習会だが、このテキストが分厚い。しかも、7月はER、今月は神経内科と、忙しい科をローテしていたため、まったく予習をしていない。講習費50000円というとんでもない金額を払っているのに情けない。

金曜日も仕事は早く終わった。5時にはほとんど終わっていたが、夜7時からER当直のため、今月の残り仕事を少しでも片付けなければならない。月末であるため、来月のローテーターのために、35人前後の引継ぎ事項を書かくのが大きな仕事だ。こういうのはほとんど一年目の仕事なのだが、全部任せるのもかわいそうだ・・・などと思いつつ、結局半分ほどしか書けないでERの時間になった。

雷ががんがん鳴る悪天候のため、救急車は少ない。一緒に当直だったERスタッフのドクターが、気を利かせて「早めに寝てきな」などといってくれたため、3時間ぐらい睡眠が取れた。ありがたいものだ。

3時間寝たとはいえ、講習中は眠くてしょうがない。ビデオ講義になるたびに寝てしまう。講習の内容はとても良いものなのだが、眠気には勝てない。

明日一日、講習が終われば、大変だった今月が終わる。

そして、来月からはお楽しみの形成外科だ。




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せん妄

入院患者によくあることなのだが、突然、ボケ老人のように訳のわからないことを言うときがある。

50代の脳出血で入院しているおばさん。入院して来た時から

「もういいから歩いて帰る」

と言っているような理解力のなさそうな人で、毎日、入院した時から今日までの病状を説明しないと納得してくれない。

今日も、「いいから帰る」と言い出したので、一から説明をした。

「頭の中で血がたまっているから、手足が動かないんですよ。」

毎日のことだ。

すると今日は、

「イタコって知ってる?」  ???そりゃ知っているけど。

「私は東北だから、イタコの知り合いがいるの。こないだ、頭の中の血を抜いてもらったからもう大丈夫。病気になる前にちゃんとやったんだから。」

「2階に息子と旦那がいるから、帰る準備するから呼んでよ。」

こんな感じで、訳のわからないことをもっともらしく言うこと、「せん妄」というのだが、入院患者にはぜんぜん珍しい事ではない。もちろん老人に起こりやすかったり、夜中に起こりやすかったりという傾向はあるが、誰にでも起こることだ。

そりゃ、一人で一日中ベッドの上で寝かされていたら、変にもなるだろう。

「せん妄」というのは、一種の意識障害で、言っていることは覚えていないことがほとんどだ。「夜間せん妄」「アルコールせん妄」「熱せん妄」などいろいろあるが、症状は似たようなものだ。


ナースステーションでカルテを書いていると、75歳脳出血の女性の家族に呼ばれた。75歳とは言え、全く痴呆のかけらもなくしっかりした人だ。

「うちのお母さん頭おかしくなっているんですけど」・・・これまた。

「まだ朝なのに、お昼ご飯は今日は食べれなかったとか、冷蔵庫の上のゴム手袋を見て、お弁当を冷蔵庫に入れないと腐っちゃうとか・・・」

いずれのヒトも個室だ。確かに、大部屋はプライバシーもないしうるさくて寝られないというのはある。しかし、静かな個室でロクに景色も見れず、家族が見舞に来るのを待っているだけだと、変になるのもしょうがないだろう。個室も考えものだ。




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当直明け

昨日の当直は、結局一睡もできなかった。0時以降、ほぼ1時間に一台ずつ、小物の救急車が続いた。

2時過ぎにようやく寝られるかと思ったら、例によってPsychiatricな連中が攻めてきた。

「昨日から胃が痛い」

歩いて救急車から降りてきた僕と同年代の女は、顔を見るなりそれ系のヒト。月曜日から隣の市の大きな病院に入院すると言っているが、さして辛そうな様子はない。

「胃痛の薬をもらったが、のんでも全く効かない。」

そりゃ、痛み止めじゃないから痛みには効かないだろう。入院する病院に「死にそうじゃなきゃ救急で来るなと言われた。」うちみたいな病院でなければ、そうも言いたくなるだろう。重篤感は全くない。気休め程度のクスリを入れた後、「来た時とぜんぜん変わらない」と言いながら歩いて帰って行った。

それが済んだら今度はERの常連のおばさんだ。

「動悸がする」

何十回とERに来ているが、毎回午前3時過ぎ。動悸というワリに、どれも心拍数80程度だ。今日も来てみれば、心拍数72回。これまで十分に検査をされ尽くされている。もちろん今回もフルワークアップで何もナシ。こういう人は、仮に本物の動悸や胸痛できても、マジメに相手にされない可能性がある。


二人のPsychiatricな連中が済んだら、今度は

「股が痛い」

もうイイカゲン勘弁してくれという感じだ。午前4時に何で股が痛いんだ。聞けば夕方4時ごろから痛いらしい。なんで12時間も経ってから明け方に救急車で来るのか?全く理解できない。

そうこうするうちに、

「腰が痛い」90歳超の老婆。なぜ明け方4時にこの人たちは起きているのだろうか?それが不思議だ。

この二人とも、痴呆症かPsychiatricかどちらかだろうと思いきや・・・

股が痛いヒトは、人工関節オペ後だったんだが、人工関節が脱臼。腰が痛いヒトは、大腿骨頚部骨折だった。

こうして、11台の救急車がほぼ均等に1時間ごとに攻めてきて、一睡もできなかった。


朝7時50分、ERの引継ぎがおわっって、病棟に戻る。日曜日は回診してカルテ書いてすぐ帰る。2時間で終わらして帰ろうと思って病棟に行ってみると・・・

なんと、退院直前の60代の脳出血後おばさんが、具合が悪そうだと。見に行くと、一目で再出血だろうというような左麻痺と構音障害。CT撮ると、やっぱり再出血。入院時と大差ないレベルの出血だ。治療は振り出しに戻る。

しかし、退院直前になると具合が悪くなるのはなぜだろう?こういうことは日常茶飯事だ。しかも、日曜だの夜中だのに急変する。

一通り点滴をオーダーして急激に悪化しないのを見届け、家族を呼びつけて話をした。10時で帰ろうと思ったのが、結局1時ぐらいまでかかったが、なんとか、当直明けの日曜日を休むことができた。




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9回目の当直

今日も驚異的に3時半頃仕事が終わったのだが、7時からER当直だ。

今月9回目の当直。天気が悪いので、客足が鈍いことを望む。



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下っ端医者の一日

今日は驚異的に、なんと午後2時頃にほとんどの仕事が終わっていた。内科の平日で、これは驚異的だ。

よく、患者やその家族に「先生がぜんぜん来てくれない」とか言われる。しかし、全く遊んでいるわけではない。

現在、神経内科の入院患者は30数人いる。重症も軽症も、様々だ。引き取り手がなくて、姥捨て山のように入院費も払わずに数年経っている老人もいる。

朝、当直隊からの引継ぎが終わると、入院患者の検査結果などをチェックする。その後、回診だ。一人5分回診にかけると、30数人だと2時間半もかかってしまう。とてもそんなにかけている時間はない。

理想は30分で全員回ること。しかし、中には話しの長い人が必ずいる。毎日そこで立ち往生。一人で30分もだらだらだらだらと喋るヒトもいる。こうなると一日の流れが大きく狂ってしまう。

回診が終わると、今度は点滴だの処方だのののオーダーだ。これをやっているうちに、あちこちからピッチがかかってきて、オーダーが終わるのは昼過ぎだ。

午後になると、いろんな家族がやってきて、病状を教えてくれということになる。建前としては、家族との面談は事前に予約を取って欲しいということになっているのだが、病棟にいる限り、ダメと言い張るわけに行かないこれが30分ぐらいかかる。。どこの家族も同じような時間に来るから、面談中にも次から次から他の家族が来ることもあり、あっという間に夕方だ。

朝から晩まで一人の患者も容態が変わらない日などない。必ず誰かが発熱したり、足が腫れた、頭が痛い、寝たきり患者CT撮りに行くから手伝ってくれ・・・

そして、ERから入院が入ってくると、一人1時間はかかる。入院カルテを書いたり、入院指示の書類やオーダーなど、ひどい日は日勤時間だけでも4-5人入院してくることもある。そんな日は12時覚悟だ。

うまい事一日が過ぎて、17時の引継ぎミーティングが終われば、あとはカルテを書くだけだ。一人10分カルテにかけると、300分・・・5時間。こんなにかけていたら大変だ。軽症や退院直前のヒトはトーゼン手を抜く。

これ以外にも、手技・・・例えば中心静脈を入れたり、腰椎穿刺をやったり、骨髄穿刺、胸水抜いたりと、そう言うことをやっていると一つ1時間ぐらいかかる。

病室に行かなくても、あなたのために働いているのだと、少しは解かって欲しい。




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治療する必要あるのか?

ERの仕事で頭に来ることは年中だが、僕は自分の感情を抑えないことにしているので、ロクでもない救急車が来ると毎回アタマニ来る。

こないだのER当直。

救急車は少なかったものの、Walk inの外来がひっきりなしに来て、ようやく途切れてヒト段落と思いきや、救急車コールの携帯電話が鳴った。


うちの病院は、市内だけでなく近隣の3市ぐらいから救急車が来る。馬鹿げたことに、40分もかけて心筋梗塞のおっさんが横浜から来たこともある。

で、救急車コールなのだが、市内の救急からの要請は救急車が発動前に、事前にいったん電話がかかってくる。

「・・・という人が救急車要請しているので受け入れ準備お願いします」のような感じで。うちの病院は救急車は一切断らないので、ハイ待ってますということになる。この第一報は、普通の電話にかかってくる。

そして、救急車が現場到着すると、「・・・という状態です、何分で着きます」という2報がかかってくる。この第二報は、ERリーダーが持つ携帯電話にかかってくる。

つまり、市内からの要請だったら、いきなり携帯電話が鳴ることはない。イキナリ携帯が鳴るということは、市外からの救急車だということだ。


そして、この市外からの救急車、ロクでもないものが多い。つまり、そっちの市でどこの病院も受け入れてくれないようなロクでもないのをうちの病院につれてくることがお決まりだ。

酔っ払い、喧嘩、浮浪者、どうでもいい交通事故、精神病患者が暴れている・・・そりゃあどこの病院でも受け入れたくないようなのを連れて来る。

だから、イキナリ携帯がなった瞬間、ドクターもナースもイラッとくる。そういう病院なんだから仕方ないとは言え、毎晩変なのに悩まされているから当然の気持ちだ。


そして、
ようやく話しの続きだが、

午前二時半、イキナリ携帯電話が鳴った。東隣の市の救急隊からだ。

「若い男性、プールに侵入しようとして金網をよじ登り、有刺鉄線で踵を大怪我」

こんなのばっかりだ。来てみれば、両踵から出血しているが歩ける。歩けるんだったらWalk inで来いと思う。とうぜん酔っ払いだ。

いくらザックリ切れているとはいえ、腱にはまったく問題ない。皮膚全層の切創だが、有刺鉄線なぞで切れているため層はメチャクチャだ。縫合を後輩に教えながら、わざとでかい声で

「いやぁこれだけボソボソだと縫ってもくっつかない可能性は高いね」
「皮膚が欠損してるから、無理に寄せると関節うごかないね」
「有刺鉄線なんて破傷風になってくださいといわんばかりだ」

さんざん脅かした。縫ったあとは警察に引き渡す。住居不法侵入だ。抜糸はうちの病院にこないで欲しい。


警察の応対をして、終わったのは4時半ごろ。ようやく少し寝られるかと思って横になる。30分も寝ないで、またしてもイキナリ携帯が鳴った。今度は西隣の市だ。

「若い男性、バイクで自損、股間から出血」

どっちの市も、うちより大きな病院がある。要するに、そういう病院はこういうロクでもない救急車を取らないということだ。

救急車が来てみると、トーゼン酔っ払い。酔っ払ってバイクに乗って、40キロ、ノーブレーキで止まっている車に突っ込んだ。酔っ払って偉そうに、丁寧に扱えだの怪我人だからだとかさんざん言いたいことを言っている。

ズボンを脱がしてみると、亀頭が真っ二つに割れていた。その間もこのアホ男、酒臭い息で偉そうなことを言いまくっている。

こんなヤツらに、医療を施す必要があるのだろうか?いや、施す必要があろうがなかろうが、それは関係ない。こんなヤツらのために一睡もできないという現実に腹が立つ。




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Grey's Anatomy

このごろはずいぶん海外ドラマが氾濫しているようだが、「ER」以外、ほとんど見たことがない。

今日、珍しくDVDを借りて見た。



外科のインターンの話だ。映像の雰囲気は「ER」とかなり似ている。やっぱり、画面で映すには内科医ではサマにならないのであろう。

実際の疾患は珍しいものではなく、救急当直をやっていたら普通に出会うものばかりだ。しかし、シアトルの一流病院ということで、金持ち相手の医療はソートープレッシャーなのだろう。

それと、向こうは日本と保険制度が全く違うので、安易にCTだのMRIだの撮れない事情がある。そういった制約からか、やっていることが多少違う気がする。

インターン初日のどたばたが描いてあるが、それを見ながら、去年は自分もそんなだったか・・・と思って逆にホッとする。




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若年性脳梗塞

今月は神経内科をまわっているので、脳梗塞や脳出血がたくさん来るのは当然だ。

しかし、こういう脳血管疾患というのは高齢者、少なくとも60台以上に多いんだろうと思うのが普通だろう。

けど、今月、なんと45歳以下の脳梗塞が4人も入院して来ている。全部男性。はっきり言って驚きだ。神経学会では40歳以下を若年性脳梗塞と定義しているので、この定義にあてはまるのは2人だが、それにしても若すぎる。

それも、30代前半の2人が重症だ。3日前に入院して来た30代前半の人は、麻痺がどうのこうのと言うレベルでなく、お看取りコースとなった。延髄、橋、中脳とあちこちに梗塞がある。MRIを見た瞬間に諦めざるを得ない。

何か共通点があるか?4人のうち二人は海で炎天下遊んでいた。3人は、コロッとした体型だ。2人はタバコも酒も多い。しかし、完全な共通点は見つからない。

若年性は心原性脳梗塞が多いと言われている。心臓に血栓があって、それが脳に飛んで行くというもの。

あとは、椎骨脳底動脈解離といって、脳の後ろの方、小脳とか脳幹のうしろの方を走っている動脈が、なぜか裂けてしまってその血管支配領域が広範に梗塞が起きるというもの。恐らくさっきのお看取りコースの方はこのタイプだろうという臨床経過だ。これは、ほとんど避けようがない。

「どうしたら予防できるんですか?」と聞かれるが、原因がはっきりわかっていないのでその予防方も良くわかっていない。

ひとつ言えるのは、発症してから2時間以内に病院に行こうということ。強力な血栓溶解療法が功を奏するかも知れない。リスクもソートー多いけど。

いずれにしても、自分と大差ない年齢の人がたくさん脳梗塞になっているのを見ると、先はわからないものだなぁとおもう。




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耳からコオロギ

あり得ない一日おきの当直。
と言いつつも、今日は変則的な19:00-23:00の準夜だけだった。

「耳に虫が入った」

という50代の男性。
一体ナニをやっていて虫が入るのか?

という興味のまま、同期のヤツが診ているところを覗きにいった。耳鏡で耳を覗いて見ると、鼓膜の端にへばりつく昆虫らしき物体。

ダンゴムシ?のように見えるが、植木いじりをしていてどこからか虫が振ってきて耳に入ったというから、空からダンゴムシが落ちてくるのも変な話だ。

ピンセットで取り出そうとしても出てこない。
それならと、吸引器(気管から痰などを吸い取るチューブ)で吸い取ってみると・・・なんと

7ミリぐらいのコオロギの子供が出てきた。

一体どうやったらコオロギが耳に入るのか?いずれにしても、ものすごく感謝して男性は帰って行った。




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オリンピックにプロ野球選手参加反対

オリンピックにプロ野球選手が参加するのは反対だ。

アマチュア精神だのなんだの難しいことを言うつもりはない。プロ野球のシーズンがつまらなくなるからだ。

スター選手だけ引き抜かれた残りのチームで、レギュラーシーズンをシャァシャァと行うのは、冷静に考えたら異常だ。主力が抜けたチームに優勝だのなんだの要求するのはおかしな話だ。

いっそのこと、主力がいない期間は入場料をタダにするとか、オリンピックが終わるまでシーズン休止するとか、ちょっとは考えたらどうだと思う。

ワールドカップが最大の大会だという「常識」があるサッカーと違って、野球で一番重要なのは日本シリーズとワールドシリーズだ。メジャーリーグの主力選手が出てこないのは当然だ。WBCだって、シーズンオフにやるからこそ開催できたのだ。

いまさら大きな声で言わしてもらうが、オリンピック参加反対。代表の選手は、勝っても負けてもいいから早く帰ってきてレギュラーシーズンをまともに戦って欲しい。

加えて、星野ジャパンとか言って、田淵、山本浩二じゃぁ、単なる仲良しグループだ。




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医者の異常勤務

医者の異常な労働時間についていろいろと報道されているワリには、全く改善される気配がない。もともと、医者に労働基準法は摘要されていない(らしい)。

こんな記事

僕のいる病院は、研修病院の中でも異常に辛い病院として有名だ。ローテの科によっても違うが、内科だったら36時間連続労働なんて全く日常のことだ。日曜日の当直なぞ、24時間勤務で日当1万円・・・マックのバイトより安い。そのまま月曜日の朝から平日勤務だ。休憩時間など設定されていないから、昼飯もせいぜい15分。トイレに行く時間もなくて便秘になる。単に拘束時間が長いだけじゃなく、休憩どころか椅子に坐る暇もない日も多い。

それだけ忙しくても、2年間でいろんなことが経験できるから、マゾみたいな連中が毎年入ってくるのだが、それにしても、今月の当直11回はコタエル。

当直明け、点滴や処方をコンピュータで入力していて居眠りをしてしまうのはよくある。当直明けに面倒な処置があったりすると、やっぱり怖い思いをすることある。胸水穿刺をしていて、胸水が流れ出てくるのを眺めながら居眠りしてしまったこともある。

昨日、おばちゃん看護婦から

「先生たちの給料ってどのくらいあるの?」

とはっきり聞かれた。休みは月に一回か二回、当直10回前後で手取り30万だ。おばちゃん看護婦からは大笑いされた。サラリーマン時代は週休2日で手取りはもっと多く、ボーナスは今の3倍以上だった。

一週間の労働時間、120時間なんて珍しくない。過労は改善されるのだろうか?




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ダメ医者とは・・・

今ローテしている神経内科には部長が二人いる・・・と言っても神経内科の今月のスタッフは、部長二人、二年目の僕と一年目の研修医・・・全部で四人だ。

もちろん、病棟業務は僕ら研修医の仕事で、部長二人は気の向いたときに時々データを見たり、気になる患者の診察をしたり。

うちの病院はホントに医者の世代バランスが悪く、部長と研修医だけ、という科が多い。5〜10年目の中堅が全くいない。

うちの病院に就職する研修医は、そこを逆手にとって、研修医のうちから大きな責任をもってやりたがるからここの病院に来る。

今月、内科だから疲れるというのに加えて、もうひとつ大きなマイナス要因がある。神経内科部長の一人が、サイアクの人間だからだ。よくもまぁそこまで嫌味なヤツであの歳(僕と同じぐらい)まで社会人をやってこれたものだ。顔を一目見れば性格悪いのが表れている。スネオとジャイアンを合わせたような風貌だ。

神経変性疾患の大家だというが、ちょっと神経を離れると大した事ない。というか医学的な常識がない。


このクソ部長の悪評を並べ上げたらキリがない。のだが、7月の終わりごろ、僕がERで診た患者がそのご内科外来を受診して運悪くこのクソ部長が診察した。細かいことを書いても仕方ないので端折るが、要は

真夜中に高血圧が気になると言ってERに来たおばさんを、僕は緊急性がないと判断して腎臓系の血液検査と心臓エコーの検査を予約して内科外来を受診しろと指示した。おばさんは喜んで帰って行った。

二日後に運悪く、内科外来でこのクソ部長に診察を受けたこのおばさんは、なんとなんと、一過性脳虚血(TIA)の診断で入院させられていた。

そして、僕のレターケースにはこのクソ部長からの手紙が入っていた。

「脳梗塞のリスクがあるTIAを帰宅させたとは、不適切な医療がERで行われているとしかいい様がない。」

などと、告発するぞと言わんばかりに非難中傷侮辱の文句が並んでいた。

ここに詳細を書いてもしょうがないことはわかっているのだが、話しの流れがあるのでもう少しご辛抱を。

神経内科の専門家がTIAと言うのだから、確かにそうなのかも知れない。しかし、5秒間小指がしびれただけの既往歴もないおばさんを、真夜中にMRIをとって内科医を叩き起こして入院させろなどと言っているこのクソ部長の非常識さに、さすがの僕もぶちきれた。

もう一人の神経内科部長、ER部長、加えて院長(神経内科の前部長だ)に怒りをぶちまけた。結局、誰一人、僕の判断を非難することなく、クソ部長は院長に呼ばれて一言二言いわれたようだ。


そんないきさつがあった直後の神経内科ローテだ。

今、30数人の入院患者を一年目の研修医と二人で診ている。その中でもアクティブに治療しなければいけない人が数人いるが、その一番目は30台の脳梗塞男性だ。

この人、二週間ほど前に発症した脳梗塞だが、現在は失語と片麻痺がありコミュニケーション不良だ。そして、敗血症になっており、8月になって僕が引き継いだときには毎日40〜41度の発熱をしており、ソートーひどい状態だった。そして、8月3日には不可抗力とは言え、脳梗塞後の脳出血を起こしてしまった。血小板減少、肝機能低下と、最悪な状態だ。

この年齢だから、できる限りの治療を家族は望んでいる。見舞いに来るたびに、40度の熱で全身汗でびしょびしょになりながら悪寒でブルブル震えていたり、脳出血で痙攣したりをみている家族もかわいそうだ。


ここからようやく今日の話しの本題に入る。

誰もがこの人の熱源はどこだろうかと考えるだろう。脳梗塞で脳幹もやられているため、中枢生の発熱の可能性もある。しかし、敗血症であり、血液の中にいるバイキンが判明しているのだ。

あまりよくでる菌ではないのだが、感染症の本をみれば普通にでている。

抗生物質を決めるのも僕らの仕事だが、こと、このクソ部長の担当している患者は、勝手に治療を変えると、告発するぞぐらいの勢いで非難中傷侮辱される。そのため、これだけ発熱を繰り返している人なのに、解熱剤で様子をみる・・・というところに落ち着いてしまっていたようだ。肝心の抗生剤投与は、こんなクスリ効くの?といいたくなるような抗生剤の組み合わせが投与されていた。

クソ部長いわく

「発熱は中枢性だ。この抗生物質で効かないから感染は否定的だ。血小板減少は悪性リンパ腫か血液疾患だ。肝機能異常はカロリーが足りないからだ。」

とのたまって譲らず、骨髄穿刺、胸部造影CT、リンパ節生検、血小板輸血・・・御大層な医療をやりまくる。結局すべて異常はなし。

そんなくだらない事をクソ部長がしている間に、僕は勝手に抗生剤を変えておいた。教科書どおりの普通の抗生剤だ。3日後、発熱はおさまり、血液中の炎症も低下、肝酵素も正常化傾向、血小板回復。

結局、クソ部長の選んだ抗生剤が全く効いていなかっただけだ。それなのに、胸骨から骨髄を抜かれ、リンパ節をぐりぐりいじくられ、無駄にCTまで撮られたわけだ。

思い切り「アホ」と言ってやりたい。


神経内科でいくら知識があっても、人間的に常識がないとこういうクソ医者になってしまうのだと思う。ヤツに助けられる神経難病の患者はたくさんいるのだろう。しかし、胃瘻を作って誤嚥性肺炎や胆管炎を繰り返す、意識のほとんどない植物脳梗塞患者がゴロゴロいる病棟をみると、こんなヤツに担当された患者とその家族はつくづくかわいそうだと思う。

病気がどれだけよくなるか・・・入院した病院と、担当した医者で結果は大きく変わってくるとつくづく思う。




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内科外来デビュー

先月はER、今月は神経内科と少しキツイ科が続く。
残念ながら、当然の様にブログからは離れてしまう。

今の研修制度だと、二年間の研修期間中に内科を6ヶ月ローテしないといけないことになっている。うちの病院では1年目に5ヶ月まわるので、今年は最低限1ヶ月選択すればよい。

しかし、僕以外の同期はみんなマジメで、内科を一ヶ月しか選択しなかったのは僕だけだ。楽な科ばかり選択したのに、キツイ科が夏に回ってくるとはツイていない。


2年目の内科ローテーションでは週一回内科外来をやらされる。一ヶ月しか内科をまわらない僕はたったの4回だ。

普段、ERで時間外の外来を当たり前のようにやっているのに、昼間の内科外来は雰囲気が全く違ってやりにくい。採血も血圧測定も伝票書きも全て自分でやらなければならないERと違って、各ブースに看護婦さんが付いてくれる。僕にとってはそれがプレッシャーだ。「早くしろ」という雰囲気がぷんぷん伝わってくる。

ERでは、夜に病院来るぐらいだからいろいろ検査してもらいたいだろう、というスタンスでやっている。オーバートリアージも当たり前だ。

しかし、昼間の内科外来に来る人たちは、見た目健康そうな人が多く、主訴はいろいろと辛そうなことを言っているがあまりシックではない人が多い。ガンガン検査をやってもらいたい、という雰囲気の人は少ない。

「心窩部が痛いんですけど」

ERでこういう人が来たら、血液検査、腹のレントゲン、心電図をとって自分でエコーを見るぐらいはする。しかし、内科外来では一つ一つの検査に時間がかかるうえ、そんなにお金がかかるのを想定していない人が多い。やっぱり、ERで診察するときより検査はやりにくい。

結局、あまりシックそうではなければ、問診と胸部腹部の触診をやって胃薬を処方、

「来週また状態を聞かせてくださいね」といって来週の予約を入れる。こんな程度の診察でいいのかなぁと思いつつ。


今日のヒト。

「私は糖尿病の治療中なんで、薬がなくなったからください」

処方薬を見ると、胃薬が二つだけ。これを本人は糖尿病の薬だと思っているらしい。

「胃はぜんぜん痛くないんですが・・・」

内科外来でいろいろなドクターが単発で診察して、一貫した治療がまったくされていない。1年ぶりに血液検査をしてみることに。HbA1c(ここ1ヶ月ぐらいの血糖値を表す)は1年前に比べて大分上昇している。血糖コントロールが悪い証拠だ。

うちの病院にもイイカゲンな医者がいるなと思いつつ、胃薬を糖尿病の薬だと思い込んで1年間すごしているこのヒトも無頓着はなはだしい。


来週はどういうスタンスで診察すればいいか悩む。




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