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中年研修医の日記



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Jay

Author:Jay
神奈川県内の病院に勤める中年研修医
僻地病院で研修中



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ダメ医者とは・・・
今ローテしている神経内科には部長が二人いる・・・と言っても神経内科の今月のスタッフは、部長二人、二年目の僕と一年目の研修医・・・全部で四人だ。

もちろん、病棟業務は僕ら研修医の仕事で、部長二人は気の向いたときに時々データを見たり、気になる患者の診察をしたり。

うちの病院はホントに医者の世代バランスが悪く、部長と研修医だけ、という科が多い。5~10年目の中堅が全くいない。

うちの病院に就職する研修医は、そこを逆手にとって、研修医のうちから大きな責任をもってやりたがるからここの病院に来る。

今月、内科だから疲れるというのに加えて、もうひとつ大きなマイナス要因がある。神経内科部長の一人が、サイアクの人間だからだ。よくもまぁそこまで嫌味なヤツであの歳(僕と同じぐらい)まで社会人をやってこれたものだ。顔を一目見れば性格悪いのが表れている。スネオとジャイアンを合わせたような風貌だ。

神経変性疾患の大家だというが、ちょっと神経を離れると大した事ない。というか医学的な常識がない。


このクソ部長の悪評を並べ上げたらキリがない。のだが、7月の終わりごろ、僕がERで診た患者がそのご内科外来を受診して運悪くこのクソ部長が診察した。細かいことを書いても仕方ないので端折るが、要は

真夜中に高血圧が気になると言ってERに来たおばさんを、僕は緊急性がないと判断して腎臓系の血液検査と心臓エコーの検査を予約して内科外来を受診しろと指示した。おばさんは喜んで帰って行った。

二日後に運悪く、内科外来でこのクソ部長に診察を受けたこのおばさんは、なんとなんと、一過性脳虚血(TIA)の診断で入院させられていた。

そして、僕のレターケースにはこのクソ部長からの手紙が入っていた。

「脳梗塞のリスクがあるTIAを帰宅させたとは、不適切な医療がERで行われているとしかいい様がない。」

などと、告発するぞと言わんばかりに非難中傷侮辱の文句が並んでいた。

ここに詳細を書いてもしょうがないことはわかっているのだが、話しの流れがあるのでもう少しご辛抱を。

神経内科の専門家がTIAと言うのだから、確かにそうなのかも知れない。しかし、5秒間小指がしびれただけの既往歴もないおばさんを、真夜中にMRIをとって内科医を叩き起こして入院させろなどと言っているこのクソ部長の非常識さに、さすがの僕もぶちきれた。

もう一人の神経内科部長、ER部長、加えて院長(神経内科の前部長だ)に怒りをぶちまけた。結局、誰一人、僕の判断を非難することなく、クソ部長は院長に呼ばれて一言二言いわれたようだ。


そんないきさつがあった直後の神経内科ローテだ。

今、30数人の入院患者を一年目の研修医と二人で診ている。その中でもアクティブに治療しなければいけない人が数人いるが、その一番目は30台の脳梗塞男性だ。

この人、二週間ほど前に発症した脳梗塞だが、現在は失語と片麻痺がありコミュニケーション不良だ。そして、敗血症になっており、8月になって僕が引き継いだときには毎日40~41度の発熱をしており、ソートーひどい状態だった。そして、8月3日には不可抗力とは言え、脳梗塞後の脳出血を起こしてしまった。血小板減少、肝機能低下と、最悪な状態だ。

この年齢だから、できる限りの治療を家族は望んでいる。見舞いに来るたびに、40度の熱で全身汗でびしょびしょになりながら悪寒でブルブル震えていたり、脳出血で痙攣したりをみている家族もかわいそうだ。


ここからようやく今日の話しの本題に入る。

誰もがこの人の熱源はどこだろうかと考えるだろう。脳梗塞で脳幹もやられているため、中枢生の発熱の可能性もある。しかし、敗血症であり、血液の中にいるバイキンが判明しているのだ。

あまりよくでる菌ではないのだが、感染症の本をみれば普通にでている。

抗生物質を決めるのも僕らの仕事だが、こと、このクソ部長の担当している患者は、勝手に治療を変えると、告発するぞぐらいの勢いで非難中傷侮辱される。そのため、これだけ発熱を繰り返している人なのに、解熱剤で様子をみる・・・というところに落ち着いてしまっていたようだ。肝心の抗生剤投与は、こんなクスリ効くの?といいたくなるような抗生剤の組み合わせが投与されていた。

クソ部長いわく

「発熱は中枢性だ。この抗生物質で効かないから感染は否定的だ。血小板減少は悪性リンパ腫か血液疾患だ。肝機能異常はカロリーが足りないからだ。」

とのたまって譲らず、骨髄穿刺、胸部造影CT、リンパ節生検、血小板輸血・・・御大層な医療をやりまくる。結局すべて異常はなし。

そんなくだらない事をクソ部長がしている間に、僕は勝手に抗生剤を変えておいた。教科書どおりの普通の抗生剤だ。3日後、発熱はおさまり、血液中の炎症も低下、肝酵素も正常化傾向、血小板回復。

結局、クソ部長の選んだ抗生剤が全く効いていなかっただけだ。それなのに、胸骨から骨髄を抜かれ、リンパ節をぐりぐりいじくられ、無駄にCTまで撮られたわけだ。

思い切り「アホ」と言ってやりたい。


神経内科でいくら知識があっても、人間的に常識がないとこういうクソ医者になってしまうのだと思う。ヤツに助けられる神経難病の患者はたくさんいるのだろう。しかし、胃瘻を作って誤嚥性肺炎や胆管炎を繰り返す、意識のほとんどない植物脳梗塞患者がゴロゴロいる病棟をみると、こんなヤツに担当された患者とその家族はつくづくかわいそうだと思う。

病気がどれだけよくなるか・・・入院した病院と、担当した医者で結果は大きく変わってくるとつくづく思う。




最後まで読んでくださった方
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内科外来デビュー
先月はER、今月は神経内科と少しキツイ科が続く。
残念ながら、当然の様にブログからは離れてしまう。

今の研修制度だと、二年間の研修期間中に内科を6ヶ月ローテしないといけないことになっている。うちの病院では1年目に5ヶ月まわるので、今年は最低限1ヶ月選択すればよい。

しかし、僕以外の同期はみんなマジメで、内科を一ヶ月しか選択しなかったのは僕だけだ。楽な科ばかり選択したのに、キツイ科が夏に回ってくるとはツイていない。


2年目の内科ローテーションでは週一回内科外来をやらされる。一ヶ月しか内科をまわらない僕はたったの4回だ。

普段、ERで時間外の外来を当たり前のようにやっているのに、昼間の内科外来は雰囲気が全く違ってやりにくい。採血も血圧測定も伝票書きも全て自分でやらなければならないERと違って、各ブースに看護婦さんが付いてくれる。僕にとってはそれがプレッシャーだ。「早くしろ」という雰囲気がぷんぷん伝わってくる。

ERでは、夜に病院来るぐらいだからいろいろ検査してもらいたいだろう、というスタンスでやっている。オーバートリアージも当たり前だ。

しかし、昼間の内科外来に来る人たちは、見た目健康そうな人が多く、主訴はいろいろと辛そうなことを言っているがあまりシックではない人が多い。ガンガン検査をやってもらいたい、という雰囲気の人は少ない。

「心窩部が痛いんですけど」

ERでこういう人が来たら、血液検査、腹のレントゲン、心電図をとって自分でエコーを見るぐらいはする。しかし、内科外来では一つ一つの検査に時間がかかるうえ、そんなにお金がかかるのを想定していない人が多い。やっぱり、ERで診察するときより検査はやりにくい。

結局、あまりシックそうではなければ、問診と胸部腹部の触診をやって胃薬を処方、

「来週また状態を聞かせてくださいね」といって来週の予約を入れる。こんな程度の診察でいいのかなぁと思いつつ。


今日のヒト。

「私は糖尿病の治療中なんで、薬がなくなったからください」

処方薬を見ると、胃薬が二つだけ。これを本人は糖尿病の薬だと思っているらしい。

「胃はぜんぜん痛くないんですが・・・」

内科外来でいろいろなドクターが単発で診察して、一貫した治療がまったくされていない。1年ぶりに血液検査をしてみることに。HbA1c(ここ1ヶ月ぐらいの血糖値を表す)は1年前に比べて大分上昇している。血糖コントロールが悪い証拠だ。

うちの病院にもイイカゲンな医者がいるなと思いつつ、胃薬を糖尿病の薬だと思い込んで1年間すごしているこのヒトも無頓着はなはだしい。


来週はどういうスタンスで診察すればいいか悩む。




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