研修医に診察されると・・・

救急外来で働いているとたまに耳にするのだが、

「研修医みたいな若いのに診られたくない」

ああそうですか、という感じなのだが、それなら平日の午前中に来てくれということになる。時々、真夜中に開業医からの紹介状を持って来てそんなコトを言われると、唖然として言葉も出ない。

うちの病院は、当たり前だが、研修指定病院だから、病棟でも外来でも研修医が診るコトは当たり前だ。

いつ頃から、こんなに研修医研修医という言葉が出回るようになったのかは定かでないが、4年ほど前に2年間の初期研修義務化になってから、顕著になってきたのは確かだ。

先日も書いたが、初期研修が義務化される前は、給料がクソ安い代わりにバイトはやり放題だった。そして、その辺の病院の当直や救急外来は多くがそういう研修医だったのだ。

僕はこの2年足らずの研修医生活で、救急に関してはかなりできるようになっていると自負しているが、それでも、去年の4、5月頃は、病棟でも救急外来でも何にもできなかった。

しかし、ホンの数年前まで、そういった何もデキない時期の研修医が普通にその辺の病院で、しかも一人で、当直していたのだ。

一般の方はそう言うついこの前までの事情を知らずに、研修医だのなんだのといったコトを言っているが、その頃にくらべれば、1年目の研修医が一人で当直するコトは禁止されるようになったので、現在の方がよっぽどマシになっている。

昔の話を聞けば、ケッコウひどい話しはたくさんある。ということを、陰ながら言っておきたい。




最後まで読んでくださった方
よろしくお願いします→a

耳からムカデ

昨日は今月3回目の当直だった。
12時ぐらいまでは怒涛のような忙しさで、一時間に4台救急車が来たり外来カルテが山積みのような状態だったが、それ以降は落ち着いた。

なので、3時間ほど寝られた。

で、5時過ぎに救急車で起こされた。

「中年男性耳に虫が入った」

先日のコオロギといい、よく耳に虫なんて入るもんだと思いつつ、救急車で来るようなコトではないだろう。

救急隊の態度も明らかに呆れていた。

妻も子供も一緒に来ていたが、男は大騒ぎ。歩けるのに担架に乗って救急車から出てきた。見ていて恥ずかしいぐらいの騒ぎようなのだが、耳鏡で見ると、外耳道の入り口に巨大耳垢。中が見えない。綿棒を準備していると、再び男の叫び声。

「うゎぁあああ動くなぁあああ・・・」

虫が耳から出てきた。2センチぐらいの足が大量についている虫だ。

「ヤスデかな」と僕がいうと、男は

「色から言って絶対にムカデだ、ムカデの子供だ、絶対に許さない」

などと言っている。

ムカデだろうがヤスデだろうがこちらには関係ない。

再び耳鏡で中を見ると、やはり巨大耳垢があるのだが、それを取って外耳道を調べようとすると痛い痛いと大騒ぎ。消毒ぐらいした方がいいと思うのだが、男はヒクヒクしまくって全く取れない。仕方なく今日中に耳鼻科に行くように言って、やめた。

外耳道は明らかに汚かったので、痛がっているのは虫のせいではないだろう。

「絶対に許さない」

と言いながら、男は試験管に生け捕りにした虫を持って帰って行った。




最後まで読んでくださった方
よろしくお願いします→a

就職活動の続き

今日はついに病院見学に行ってきた。

大学病院の形成外科だ。いまさら科を迷っているとどうにもきまらない気がする。なので、もう形成外科でいこうと思う。

就職してからは他の病院に行く機会はあまりなかったのだが、やっぱり大学病院はでかい。400床足らずのうちの病院に比べると、全てがでかい。場所が田舎なのでブランド志向とはいかないが、やっぱり、こういうところで働いてみたいなという気はする。

形成外科に行って、僕が何をやりたいかというと、美容と救急。こんなコトをいったら、タブン呆れられるだろうから言わなかった。タブン、救急をやりたいと思われたようだ。形成外科の救急とは、もちろん外傷だが、手の腱や血管、顔面外傷とか。

今日は明日のオペの話しあいとか、術後の回診とかだった。症例にはこと欠かないようだ。

出身大学はあちこちからで、内輪ノリの医局ではないようだ。雰囲気も良さそう。

ネックは給料だ。




最後まで読んでくださった方
よろしくお願いします→a

褥創

形成外科の仕事はいろいろあるが、褥創(いわゆる床ずれ)の治療も形成外科の仕事だ。

一般の方はひどい褥創ってみたことあるだろうか?
寝たきりの人にできるのがほとんどなので、部位は腰骨の周囲が多い。体重がかかるからだ。

ひどい人になると、手の平が入ってしまうような褥創もある。こういうのはトーゼン感染源になって、肺炎とかと同様、寝たきり患者には大きなリスクとなる。

しかし、寝たきりであるがゆえに出来る創なので、体重がかかっている限り、なかなか治らない。いろんな被覆剤が開発されているが、怪我や火傷が一日で治らないのと同様、褥創も被覆剤を乗っけたからといってすぐ治るわけではない。

というか、形成外科志望の僕がこんなコトを言ってしまうのもなんだが、体位変換を頻繁にやらない限り、褥創の治療はいくらやっても効果が出ない。

しかし、2時間に一度の体位変換なんて、できる病院はほとんどない。

治らないだろうなと思いながらやる処置は辛い。




最後まで読んでくださった方
よろしくお願いします→a

鼻骨折

鼻骨骨折の整復があった。

30代のきれいなお姉さん風の方だが、サーフボードが顔面に当たったという。
レントゲンでは確かに鼻骨がわずかに折れて落ち込んでいる。
本人の気持ちはともかく、見た目に鼻が曲がっているようなコトはない。
全く緊急性がないため、整復するかどうか家で考えて来てもらったのだが、やっぱり気になるということで整復する事に。

なぜこんなコトをいうかというと、鼻の整復は本当に痛い。
以前相撲取りが、ぶちかましで鼻が曲がって、親方が無理やり箸を鼻に突っ込んで整復するのをみたことがあるが、あんなコトは屈強な男だから耐えられるのであって、普通の人間は無理だ。

かと言って全身麻酔でやるような事ではないので、痛さに耐えて整復する価値があるかどうか、それは本人の希望による。完全に鼻がひん曲がってしまうような骨折はほとんどないので、顔の微妙な雰囲気、それを本人が気になるかどうかと言うことだ。

実際、何をやるかと言うと

鼻に麻酔スプレー:これがメチャクチャしみる。歯医者さんの歯にする麻酔と同じ。苦い。

鼻の周囲に麻酔:もちろん注射だ。顔に針を刺される。

これ以外に局所麻酔の追加やボォッとする薬をいれたりするコトもある。

そして、整復。大した道具がいるわけではない。太めのピンセットのようなものを突っ込んで、落ち込んでいる骨をグイッと引き上げる。完全に骨がずれているときは戻るときにパキッと手ごたえがあったりする。

バランスが重要なので、両方の鼻の穴にピンセットを突っ込むことになる。トーゼン鼻血も出る。

気丈な感じのお姉さんだったが、さすがに痛みはソートーなようで、終わってからもしばらく涙をボロボロこぼしながらベッドの上で苦痛の表情をしていた。

ほんとうに痛いと思う。

こんなんなら、全身麻酔でやって欲しいと思うかも知れないが、全身麻酔をかけるときにはオペ室でやらなければならない。病院にもよるだろうが、この程度の手技でオペ室を使わせてくれるところは少ない。

たいへん痛そうだった。




最後まで読んでくださった方
よろしくお願いします→a

医療費と平均寿命

今月のローテ、形成外科では患者さんはほとんどが元気なヒトだ。たまに、床擦れの治療をしなければいけないので寝たきり患者も少しは回るのだが。

先月、神経内科を回ってつくづく感じたのが、平均寿命ってなんだろうということ。どういうことかと言うと、心臓が動いて、呼吸さえしていれば、「生きている」ということになるため、意識不明の寝たきり患者も平均寿命の算定には入る。

大きな声でいう人があまりいないのだが、一般の方にもやっぱり考えていただきたい。

寝たきり、コミュニケーション不可能、摂食不可能、の状態のヒトを、どうやって生かすか。もちろん、こういうヒトは、自分では全く生きていけない。寝たきりで床擦れができて感染し、胃婁から流動食を入れれば逆流して肺炎になり、点滴で栄養を入れれば留置針で感染する。

一体どうすればいいのか?こういった完全寝たきりの患者は、もっとも手がかかり、もっとも感染のリスクがある。

正直言って、家族にも大きな負担だ。うちの病院は急性期の病院なので、こういった寝たきり患者をお看取りするまで入院させているわけにはいかない。いわゆる老人病院や施設に転院してもらわなければならない。しかし、そういった施設や病院の方が、はるかに金額が高い。月20万円程度は当然だ。うちの病院に「単に」入院しているだけだったら3-4万円だから、いったん腰を落ち着けてしまうとなかなか転院してくれないで困る。家族にとっては、うちの病院が急性期だろうがなんだろうが関係なく、安いからおいておいてくれという事になる。

こういったことで頭を悩ますことは日常茶飯事なのだが・・・冷静に考えていただきたい。全く自発運動がなく、目を開けることもなく、食事も自分で取れない状態のヒトにどこまで医療を施す必要があるのか?

簡単に言えば、植物に水をあげているだけだ。治る見込みなぞ全くなく、心臓が止まるまでずっとその状態。リハビリをするレベルでもない。こういう人たちが、病院にはたくさんいる。そして、平均寿命を延ばすことに貢献し、膨大な医療費を消費している。

中には、年金が出るから生かしておいてくれという家族もたくさんいる。

ヘタに点滴だの胃婁だのの方法があるために、本来なら寿命といわれる人が生き延びているということだ。

尊厳死という言葉があるが、進歩した医療によって生かされているだけの人がどれだけ多いことか。終末期医療で、どこまでやるかを、もっと考えるべきと思う。




最後まで読んでくださった方
よろしくお願いします→a

就職活動

誰でもそうかも知れないが、僕は就職活動が苦手だ。

最初の大学を出たとき、僕は全く就職する気がなかった。と言ったら語弊があるが、当時は留学する事で頭が一杯だったため、その資金を作るために何年か働こうか、と言う程度の気持ちだった。そのため、研究室の教授に頼んで「就職するまで奨学金をくれる会社」を探してもらい、全く就職活動をしないで入ってしまった。

そして、医学部6年の時は、頑張っていろいろ見学に行ったのだが、千葉にある大本命の病院に落とされて今の病院に決まった。

そして今回、またしても就職活動をしなければいけないのだが、もう、形成外科に決めていると言うこともあって、うちの病院の形成外科部長に頼んである。来週、大学病院に見学に行く事になった。

今日はその関連病院にうちの形成外科部長がお手伝いに行くので、見学させてもらった。小さなオペを二件、手伝わせてもらったが、形成外科のオペはほのぼのとしている。やはり僕にはこういう雰囲気が合っていると思う。

今の病院の息をつく間もない忙しさから、来年になったら時間的にはかなり楽になるんだろうなぁとおもう。決断を迫られるこの時期、決めてしまったらいろいろと後悔したりするのかもしれない。やはり複雑な気持ちだ。




最後まで読んでくださった方
よろしくお願いします→a

 | BLOG TOP |  NEXT»»